手書き賞状へのこだわり
賞状を書く上で、一番必要なこととは?
賞状を書く上で、一番必要なことはレイアウトと文字の規律性だと考えています。
レイアウトとは、「文字の周りの余白」の空き加減のことです。文字の周りの余白があることで、強調して見せたい行を作り出すことができます。
賞状は受賞者に手渡すものですので、「受賞者にとって何が大切か」を考え、それに適した余白の空け方を一番に考えています。
また、本文の天地が揃っていることも、きれいに見えるポイントとして気を使っています。下書きをきっちり作る作業が 書くこと以上に大事になります。本番よりも、そのための準備が大切なのはあらゆる事柄に通ずるものかもしれませんね。
手書きだからこそのこだわり
賞状は、タテヨコ、サイズの大小の違いはありますが、それほど多様な形の違いはないので一見すると単純に思えます。しかし、毎回1回ですんなり書けた、ということは稀です。
その一番の理由は、左側の贈呈者と社名のバランスが毎回違うことにあるからかもしれません。
賞状は左から書き始めます。贈呈者の役職、名前、社名の順で書き進めますが、真っ白な空間にいきなり一番大事なお名前を入れるという緊張感は毎回大きなものがあります。
しかも、名前の部分は、ご依頼いただいている発注者様や、団体名の事が多いため、格好良く書いて差し上げたいという気持ちが出るので尚更です。
また、名前は毎回違うことが普通です。その時々でバランスが違い、微妙な文字の間隔だったり大きさの違いが出やすいため一番難しく、最初から悪戦苦闘してしまうことが起きるのです。
賞状を手書きすることの良さ(メリット)
賞状を手書きすることの良さは、やはり賞状の内容(シチュエーション)によって 文字の雰囲気を変えることだと思います。
武道団体や、学校関係、企業、家族への賞状とで それぞれにマッチした書体で担当の書き手を選び、書き分けるようにしています。または、一人の書き手でも書き分けできるよう日々鍛錬しています。